保育士の給料はどれくらい?

保育士を目指す場合には、給料について事前にチェックしておくことがポイントです。いくらくらいの年収を得られるのか、昇給や今後の給与水準はどう予想されているのかを知ることで、保育士になってからの生活設計が立てやすくなります。将来的に保育士として長く働いていくのなら、給料や待遇面を確認することは重要となるでしょう。そこでこちらでは、保育士の給料事情を2022年の最新情報をもとに紹介します。給料アップにつながる「保育士処遇改善等加算」についても解説するので、保育士を目指す方は参考にしてみてください。

保育士の給料事情について

保育士の給料は、厚生労働省の「令和2年 賃金構造基本統計調査」を参考にすると約360万円ほどです。(沖縄:約330万円) 具体的には月々の平均給与が約24万円(沖縄:約22万円)、年間賞与が約70万円程度(沖縄:約55万円)の相場になっています。 国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査結果」によると、民間企業で働いている給与所得者の平均給与は433万円です。 保育士の給料と比較すると、低い水準に収まっていると言えるでしょう。

参考:https://www.tabisland.ne.jp/news/tax/2021/1004.html https://hoikushi-worker.com/useful/clm259/

保育士の給料は安い?

保育士の給料は、その仕事量や責任の重さを考慮すると「安い」と判断する人が多い傾向にあります。 平成30年に実施された「東京都保育士実態調査概要」によると、退職意向理由の1位は68.7%で「給料が安い」と回答されています。 給料面の不満が募ることが、保育士の退職につながっていると考えられるでしょう。 保育士はさまざまな年代・性質を持った子どもたちのお世話をする仕事であるため、臨機応変な気配りや集中力が求められます。 万が一預かっている子どもにトラブルが起きれば、それは保育士の責任となる可能性もあるので、常に気の抜けない業務となるでしょう。 それなのに給料などの待遇面が一般的な会社員よりも低いとなれば、その点に不満を感じる人は自然と増えると予想できます。 保育士の数を確保するためには、今後給料・待遇面の改善は必要となるでしょう。

保育士の給料は年々上昇傾向にある

保育士の年収は低いというイメージがついてしまっていますが、その数値は年々上昇傾向にあります。ここ5年の保育士の平均年収を見てみると、以下のような数値になっているのです。

令和元年度:約363万円
平成30年度:約358万円
平成29年度:約342万円
平成28年度:約327万円
平成27年度:約323万円

毎年少しずつ年収アップが実現していて、給与水準は高くなっています。先にも紹介した通り、令和2年度の平均年収は約370万円であるため、平成27年度と比較すると50万円近い上昇を記録しているのです。このように保育士の給料はまだまだ低い数値ではありますが、上昇傾向にあるという点では将来性があると判断できます。

保育士の給料をアップさせる方法とは?

保育士の給料をアップさせるには、いくつかの方法が考えられます。以下を参考に、現状を変えて給料アップにつなげる方法をチェックしてみましょう。

キャリアアップを図る

保育士の給料を上げるには、キャリアアップを狙うことがひとつの方法です。例えば保育関連の資格を取得したり、体操・英語などの専門技術を取得して保育の仕事に活かしたりといったことが考えられます。キャリアアップは現在の職場にいながら給料アップにつなげられるので、いまの就職先が気に入っている方におすすめの方法です。事前に職場に資格手当や技術の習得を理由とした昇給が可能なのか確認し、キャリアアップを計画してみましょう。

給料条件の良い職場に転職する

保育士の給料を上げるには、好条件の職場に転職することも考えられます。これまでに積み上げた保育士としてのキャリアを活かして転職活動を行うことで、より給料の高い職場に移れる可能性があります。転職は基本の給料を底上げできるので、将来収入を高めることにつながるでしょう。保育士の資格取得者は、保育園の先生だけでなくさまざまな職業で働くことが可能です。児童福祉施設、院内保育所、企業内保育所、保育ママ、託児所、母子生活支援施設など、多くの職場に需要があります。転職できる職業の幅は広いので、給料の高い職場も見つけやすいのが保育士の特徴です。

2022年は保育士処遇改善等加算によって「給料がアップ」する?

2022年2月から、政府は保育士の給料を上げる賃上げ制度「保育士処遇改善等加算」を行うと発表しました。保育士のほか、介護職員、障害福祉職員、看護師、幼稚園教諭、放課後児童支援員などが対象となり、収入の1〜3%程度の賃上げが行われます。保育士の場合は月額平均9,000円(収入の3%程度)の収入アップが実施されるので、2022年から給料の総額が変わると期待されています。一方で、保育士処遇改善等加算は2022年2月〜9月までの期間限定の政策となっています。交付が終了した2022年10月以降も同水準の賃上げ制度が維持されると言われていますが、保育士における制度の詳細は未だ不透明なままです。また、今回の賃上げに使われる補助金の2/3は賃金のベースアップに使用するルールとなっていますが、残りの1/3に関しては各保育園・事業者が使い道を決めることになっています。そのため場合によっては、想定していたよりも賃上げの効果が少なくなる可能性もあるでしょう。このようにいくつか問題もありますが、実際に保育士の給料アップが行われることは決定しているので、今後の展開に期待が集まっています。

まとめ

保育士の給料が低いという現実は、離職者の増加につながって保育士不足を加速させています。2022年からはじまる保育士処遇改善等加算をきっかけに、さらに給料・待遇面が向上することに期待されるでしょう。これから保育士になる方や、保育士として働いている方は、これからの給料事情を細かくチェックすることがおすすめです。

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